ペリカン
最近、消せるボールペン 修正テープ、間違いを事前に知らせてくれるソフト等 様々なものが便利になってきています。
私はそのような流れに逆らおうとはしていませんが、修正できないボールペンが気に入っています。 間違った場所や理由が、後ですぐに理解できるのと、年月が経つとその部分を見直してみると記憶がよみがえり、味が出てくるように感じるからです。
その中で数十年前私の中学時代に、文具店でひと目惚れし購入したペリカンのボールペンというものがあります。1500円くらいだったと思いますが、当時の私にはすごく高価なものという感じがした記憶があります。その上ペリカンというメーカー(ブランド)がドイツの会社ということは知り得ませんでした。(当時パソコンも普及していなく、ましてグーグルというものは存在していなかったので)
家に帰り、あらためてそのペンを見直し手に持つと、自然な曲線で先のほうが三角形になり、指にフィットし心地よい、クリップの部分もペリカンの形になっていて隠れたところにウィットを感じました
ノックするところは横面にありそこだけゴムでできており自然な動作で操作しやすく、中学生の私にとってもこれはすごい人が作ったに違いないと思わせ、その上はじめてモノから、洗練された人に対する優しさに感動しました。
後に、グーグルの存在する時代に調べてみると、ペンをデザインしたのは工業デザイナー、ルイジ コラーニ(Luigi Colani )という方で、2019年にお亡くなりになられたそうですが鬼才と呼ばれていたそうです。ペリカンという会社の伝統的なクラフトマンシップ、日本語でいう職人気質の基礎の上で鬼才が創り上げたのがこのボールペンだとわかり、私の中で納得と満足感で満たされました。ペリカン社とルイジ・コラーニ氏に敬意を表したうえで
数十年何となく私の人生の横にいたこのボールペンが私の逸品です。
そしてもう少し、私の人生に付き合ってもらおうと思っています。
201 rhino