麻・リネン・ラミー… 亜麻、苧麻 …???

最近、温暖化で冬が暖かくなったからか?真冬でも麻のトップスやワンピースを重ね着しています。「麻・リネン」と言えば、日本では夏の素材の代名詞ですが、古いフランスの軍ものや、ベルギーリネンなどは家庭で使う日常的なシーツやタオルなどのホームリネンとしてヨーロッパでは馴染み深い素材。

「ヨーロッパのリネン」と、日本で古くから使われてきた「麻の織物」は同じ植物繊維ですが、実はちょっと違います。一般的に麻と呼ばれている繊維は何種類かあって、どれも植物の茎から採取される天然の繊維で、主成分はセルロース。日本で使われていた主な原料は:「苧麻(“ちょま”又は“からむし”)=ラミー」と呼ばれるものと、宮中行事にも用いられ古来から大切にされてきた「大麻(“たいま”又は”おおぬさ”=タイでもお馴染みのヘンプ=指定外繊維」の2種類。

その昔、80年代に母が骨董店を営んでいた頃…買付に行くフランスの片田舎の蚤の市や、寒風吹き荒ぶイギリスのショーグラウンドなどで良く見かけたのが、各国のかっこいいミリタリージャケットや分厚いリネンを何度も解いて縫い直したような軍もののバッグ。

くったりとした厚手の生地の重みが心地よく、今でも休日のお気に入りはフランス海軍の古い斜がけバッグ。

学生時代住んでいたドイツでは、真っ白なベッドリネンが定番。なので、洗濯機は基本お湯仕様。学生だったので洗濯機は持っていませんでしたが、アパートの地下にある洗濯・乾燥室には誰でも使える洗濯機が設置されていました。洗濯温度は「Buntwäsche(colorful-wash)」の40度から、タオルやリネン用の「Kochwäsche(cook-wash)」は90~95度で洗えるので、気分的にもさっぱりします。物干しもある洗濯部屋の片隅には手回しローラー?のような「リネン絞り機」もありました。

…と、話が逸れましたが、 それくらいヨーロッパでは歴史も古く(エジプトのミイラが包まれている布も!)日常的な素材である「リネン」。原料はフラックス(亜麻)という植物の繊維です。現在流通しているリネンの80%がフランス産の植物繊維だそうですが、それを糸にしたり(紡績)、織り上げて生地にしている(製織)のは自国フランス及びベルギー・リトアニア・イタリア、そして中国などの国々とのこと。

ラミーは東南アジア原産といわれ、福井県の縄文初期の遺跡からも発見されています。その昔は野山に自生するイラクサ科の多年草を採取して織物にしていました。織り上がった布はコシが強く張りがあり、触った感じもシャリ感のある生地になります。 今回初めてチャレンジしたJapan madeのロングプルオーバー「mongha・モンガ」に使用したのも、このラミーリネン。

本来シャリ感があって硬いイメージのラミーですが、日本の繊維業の職人さんによる手作業、天日干しで染色を行い、日の光と遠州灘の風をたっぷり浴びた生地独特のとろみ感と肌触りは格別です。 *写真は葉山事務所の近所で撮りました!

衣類に使われている麻の全般的な特徴として、水分を含むと繊維の強度が増すので、洗濯物を干す時のゴワつき感に「ケア間違えたかな?!」と一瞬あせるのですが、乾けば風合いが戻ります。

ヘンプは昔日本でも多く繊維に使われていた桑科の一年草で、その歴史も古く、約一万年前の鳥浜遺跡から種子や繊維が発見されています。太さ長さのばらつきが多い繊維なので、その糸は太さが安定せず生地にすると繊維が絡まった固まり(=ネップ)が多く、自然な風合いが特徴。今ヘンプのお洋服はないのですが、ホームで織った手織りヘンプにロゴ刺繍をあしらったポーチがあるので、イベントや鎌倉店にお越しの際には手にとってみてくださいね。(banromsaiのロゴポーチhoshihana villageのロゴポーチがあります)

それ以外にも:
・黄麻(“こうま”=ジュート)などは珈琲豆の大きな袋や土嚢などに使われます。チクチクした肌触りと水を含むと強度が低下するのが特徴ですので、衣類よりも雑貨に使われる事が多い材料。エスパドーリュのソールについているのも涼やかで素敵ですよね!
(以前書いた蓮の繊維に関してはこちら

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